「賃料はどうやって決まるのだろう?」
賃貸契約を続けていると、更新のタイミングで「賃料を上げたい」「下げたい」といった話が出ることがあります。
しかし実際には、
適正な金額が分からない
借主と貸主で意見が食い違う
感覚や相場だけで判断してしまう
といったトラブルにつながりやすいのが現実です。
そこで重要になるのが「継続賃料」の考え方です。では、その算定に使われる 利回り法 とはどのような手法なのでしょうか?
解決
利回り法 とは、不動産の収益性をもとに賃料を算定する方法で、計算式は
利回り法による試算賃料=基礎価格×継続賃料利回り+必要諸経費等
具体的には、
不動産の適正な価格(鑑定評価額)を算出する
その価格に市場で妥当とされる利回り(期待収益率)を掛け合わせる
得られた金額を基準に、年間賃料を導き出す
という流れで計算します。
例えば、ある店舗ビルの評価額が1億円で、利回りを5%とすると、
年間の適正賃料は 500万円(=1億円 × 5%) となります。
この方法の特徴は「資産価値と収益性をリンクさせる」点にあります。単に近隣相場を見るだけでなく、投資としての不動産の性質を踏まえて賃料を判断できるのです。
まとめ
賃料は感覚で決めるものではなく、合理的な根拠に基づいて算定する必要があります。
利回り法は、不動産の価格と収益性を結びつけることで、継続賃料を合理的に導く有効な手法です。
もし賃料改定で迷ったときは、「利回り法」など専門的な算定方法を用いた不動産鑑定評価を活用することで、公平で納得感のある解決につながります。