その通知書、本当に「伝わって」いますか?
「建物の維持費も上がってきたし、そろそろ賃料を見直したい…」
そう思ってテナントに賃料改定を通知したのに、相手からの返事は「検討します」のまま数か月。
こんな経験はありませんか?
実は、「通知書」の内容ひとつで、その後の交渉の流れが大きく変わってしまいます。
きちんと準備された文書かどうかで、テナントの反応も大きく違ってくるのです。
💡なぜ通知書が重要なのか?
「賃料の増額は口頭で伝えればいい」と思っているオーナーも少なくありません。
しかし、それではトラブルの元。
通知書には次のような役割があります:
- 賃料改定の意思表示(法的効力を含む)
- 交渉開始のきっかけ
- 改定理由の明示による納得感の醸成
つまり、通知書は交渉を始める“設計図”のようなものなのです。
✅解決策:効果的な「賃料改定通知書」のポイントとは?
以下の要素を意識して通知書を作成することで、交渉を有利に進めやすくなります。
① 改定理由を客観的に記載する
一方的な「値上げします」では相手も納得しません。
たとえば以下のように理由を明記しましょう:
近隣相場との乖離や、建物の維持管理費・固定資産税等の上昇、契約締結からの年数経過などを踏まえ…
② 改定額(または改定率)を明示する
「○月以降、現行の月額〇〇円を○○円に改定させていただきたく…」
といったように、具体的な金額や改定の時期を明確に記載します。
③ 返答期限を設ける
交渉の長期化を防ぐために、回答期限を記載しましょう。
例:「○月○日までにご返答いただけますようお願い申し上げます」
④ 感情的にならない、冷静で丁寧な文面に
賃料交渉は対立ではなく「協議」です。
文面はあくまでビジネスライクに、丁寧な表現で統一しましょう。
🖋通知書文例(抜粋)
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、当該物件に係る賃料につきまして、契約締結後相応の年数が経過し、昨今の経済状況・近隣賃料相場および維持管理費等の上昇を踏まえ、誠に恐縮ながら賃料の改定をお願い申し上げたく、本書をもって通知申し上げます。
…(以下略)
🧭まとめ:通知書は「交渉の第一歩」
賃料改定は感情や直感ではなく、戦略と準備が重要です。
特に通知書は、その後の交渉の土台となる重要なステップ。
ぜひ、今回紹介したポイントを参考に、一歩先を行くオーナー対応を実践してください。