不動産鑑定評価における継続賃料を求める「利回り法」とは?

「賃料はどうやって決まるのだろう?」
賃貸契約を続けていると、更新のタイミングで「賃料を上げたい」「下げたい」といった話が出ることがあります。
しかし実際には、

  • 適正な金額が分からない

  • 借主と貸主で意見が食い違う

  • 感覚や相場だけで判断してしまう
    といったトラブルにつながりやすいのが現実です。

そこで重要になるのが「継続賃料」の考え方です。では、その算定に使われる 利回り法 とはどのような手法なのでしょうか?

解決

利回り法 とは、不動産の収益性をもとに賃料を算定する方法で、計算式は

利回り法による試算賃料=基礎価格×継続賃料利回り+必要諸経費等

具体的には、

  1. 不動産の適正な価格(鑑定評価額)を算出する

  2. その価格に市場で妥当とされる利回り(期待収益率)を掛け合わせる

  3. 得られた金額を基準に、年間賃料を導き出す

という流れで計算します。

例えば、ある店舗ビルの評価額が1億円で、利回りを5%とすると、
年間の適正賃料は 500万円(=1億円 × 5%) となります。

この方法の特徴は「資産価値と収益性をリンクさせる」点にあります。単に近隣相場を見るだけでなく、投資としての不動産の性質を踏まえて賃料を判断できるのです。

まとめ

賃料は感覚で決めるものではなく、合理的な根拠に基づいて算定する必要があります。
利回り法は、不動産の価格と収益性を結びつけることで、継続賃料を合理的に導く有効な手法です。

もし賃料改定で迷ったときは、「利回り法」など専門的な算定方法を用いた不動産鑑定評価を活用することで、公平で納得感のある解決につながります。